岩を登る、人工壁を登る
フリークライミングという言葉があります。それは、己の力だけで自然の壁や人工壁を登ることを言います。
通常見かけるクライミングは、手足を使い、行く方向を目で確認しながらホールドと言われるとっかかりを掴んで登って行きます。もし片足がなかったら、片腕がなかったら、目が見えなかったら、体の動きに制限があったら…。
そんな障害のある方でも壁は登れるのです。そんな彼らのクライミング競技をパラクライミングと呼びます。
障害の程度に応じたクラス分け
パラクライミングの競技には視覚障害と身体機能障害があり、さらにその中で障害の程度に応じたクラス分けが行われます。
- 視覚障害
- 先天的または後天的に視覚に障がいがあり、日常生活や就労等において不自由を強いられている方を対象とします。クラス分けは光覚や視力・視野によってB1・B2・B3クラスに分けられ、B1クラスが視覚障害のなかで最も障害の程度が重いクラスになります。
- 身体機能障害
- 先天的または後天的に身体に障害があり、日常生活や就労等において不自由を強いられている方を対象とします。クラス分けは身体の機能によって上肢機能障害(AU2・AU3クラス)・下肢機能障害(AL1・AL2クラス)・関節可動域および筋力とその他の機能障害(RP1・RP2・RP3クラス)からなります。数字の小さいクラス(AU2・AL1・RP1)が障害の程度が重いクラスになります。
- パラクライミングの対象となる障害
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- ・筋力障害
- ・受動的な関節可動域の障害
- ・手足の欠損
- ・脚の長さの違い
- ・低身長
- ・筋緊張亢進
- ・運動失調
- ・アテトーゼ
- ・視覚障害
世界で実力を試せる機会が
パラクライミングにはある
2年に1度、IFSC(国際スポーツクライミング連盟)主催にてパラクライミング世界選手権大会が開催されています。
過去の日本人選手の活躍は凄まじいものがあり、2018年インスブルック大会では金メダル2個を含む4個のメダルを、2019年ブリアンソン大会では金メダル3個を含む7個のメダルを、2021年ロシア大会では金メダル2個を含む3個のメダルを日本に持ち帰っているほどです。